魅力的なデザイン、でもソニー製としては捻り不足? SRS-V500iP

2010年7月にiPhone、iPad用とWalkman用の二つのバリエーション、数色のカラーで発売されたドックスピーカーです。バスレフスピーカーの上に上下が浅いお椀型のデヒューザーをつけて上ツイーター、下は低音を360度全周に放射させ、広い臨場感を創り出せるというのが売りでした。価格は当時のソニーストアで￥19800。
発売された直後に電気量販店の店頭で見かけ、結構気になっていたモデルです。
デザインは良いですねえ、流石はソニーだと思います。
こんな小さな躯体ですがデジタルアンプなので15W位の大音量が出せるのも魅力です。
で、肝心の音なのですが、これはモノラルです。従って点音源で臨場感があるとはいえ、ステレオの様に立体音響にはならない、これがネックの一つ。
次にバスレフポートを設定した音、特に低音ですが、自然な音を志向したにしても低音不足ではないかと感じます。
スピーカーが5cm位しかないので仕方がないとも言えますが、同じようなスピーカーでボーズやTivoliはもっと低音が出ています。ボーズの様な人工的な音は希望しない物の、もう少し自然な余裕のあるバランスが欲しいと感じます。
次のネックが充電式ではない事。このモデルが発売された時点ではリチウム充電池の信頼性は低く、安全な外部電力を選んだのでしょうが、そうすると折角のコンパクトさが活きてきません。
最後のネックがBluetooth未対応である事。これもこのモデルが発表された時点では何処まで普及するか未知な技術では有りましたが、結果としてBluetooth全盛の時代には乗り遅れてしまった感じです。
総合してみると先進性とデザインが最大の売りだったソニーとしては特に先進性が見えない感じです。
この個体は、そんな感じでオーナーに飽きられてしまったのでしょうか、比較的安価で入手できました。単体では意味がないので写真のiPad(8GB)をお付けしますが、写真以外の付属品は有りません。
iPadには400〜500曲くらいのクラシック、ジャズが入っていて、そのままお送りします。ソフトが必要なければ消すも良し、興味があるものが有れば楽しんで頂ければと思います。
定価で言えば4万円位ですから、今の価格なら上記の欠点を考慮しても魅力は有るかと思います。デスク上に置いて比較的小さな音で楽しむ用途なら十分お薦めです。

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